樋門

1893年11月、堤防の工事を始めると同時に、堤防の樋門(ひもん)の工事も始めた。樋門とは、新田の中で洪水(こうずい)がおきないようにするものである。

 

もともと海を干拓しているため、海の高さが上がれば、川から海水が流れ込んでくる。それを防ぐために作られたのである。

 

工事開始当初は、樋門を閉じていることにより汚い水がたまるため、反対もあったという。

 

さらに、船を使った運送が楽にになるように、樋門を扇形(おうぎがた)にして広げ、その扇形の内部に船囲い、荷物揚げ場、並に色々な物品の倉庫を新設して海運上不都合が無いようにした。

 

 

樋門にも人造石が使われた。はじめは人造石の効果や耐久性(たいきゅうせい)にうたがいの声もあったが、成果が見られたことから、愛知県内の樋門に使われるようになった。

 

左の写真は、約20年後の樋門の検査である。一部をこわし、中から点検したが、とても丈夫に作られていることが分かったという。